2016年に話題を呼んだ「”守り”のヘルシー系スーパーフード」
今、美容や健康に関心の高い人にとってスーパーフードはまさに「流行り物」です。
日本人にスーパーフードの良さを発信・啓発している「日本スーパーフード協会」は世界中の健康や流行をチェックして公表しています。
「”守り”のヘルシー系スーパーフード」とは？
2016年のトレンドはずばり「“守り”のヘルシー系スーパーフード」でした。
ダイエットやスタイルの維持、生活習慣病や認知症の予防など、身体を”守る”スーパーフードが全体的に人気だったようです。
2017年に流行が期待されているアンチエイジングや美容効果を求める「“攻め”のスーパーフード」と対になりますね。
「”守り”のヘルシー系スーパーフード」は、具体的にはチアシード、バジルシード、キヌア、アマンサラス、ココナッツオイル、パオバブなどが挙げられるようです。
その中でも特に大流行したココナッツ、驚くべき健康効果が期待できるパオバブについてを詳しく紹介します。
様々な改良・商品開発が続いている「ココナッツ」
オーストラリア出身で、日本では下着メーカーのCMを担当している事で有名なファッションモデルのミランダ・カーさんが食べていることで話題になったのが「ココナッツオイル」です。
これに触発されて、2016年にはココナッツオイルが大流行しましたね。
ココナッツオイルの特徴である中鎖脂肪酸は「痩せるオイル・痩せる油」とも呼ばれてダイエット方法としても人気を集めました。
ココナッツの特徴は「商品バリエーションが豊富なこと」と「摂取する形で効果・効能が異なること」でしょう。
ココナッツオイルは様々な調理に使えて、簡単にトッピングできるスプレータイプや製菓用ココナッツオイルなども商品化しました。熱や酸化に強いのですが、植物性の油としては珍しく常温（25度以下）で固まる特徴があり冷製の食事にはあまり向いていません。
ココナッツウォーターはスポーツシーンで活躍しました。
カリウムをはじめとするミネラルを豊富に含んでいるので、発汗によって失ったミネラル分を補える点が効率的だと広まって行きました。運動後の疲労感から回復するにも効果的だと言われています。
ココナッツのミネラル成分をベースにしてタンパク質やアミノ酸などを加えたココナッツプロテインも身体作り・筋肉増強を目的に商品化されています。
また運動時以外にも清涼飲料水やスパークリングタイプのココナッツウォーターなど、飲料としても人気です。
ココナッツチップスはおやつやお菓子のトッピングとして活用されました。シャリシャリとした食感とほのかな甘さが女性を虜にしています。
食物繊維が豊富で、便秘の改善に繋がったという口コミもあります。
神秘な力を秘めた「パオバブ」
「パオバブ」は南アフリカ原産のキワタ科の植物で、アラビアやアフリカなどで広く使われている食品です。
「モンキーブレッドツリー（猿のパンの木）」とも呼ばれて、人間だけではなく動物たちもその果実や葉から栄養を摂取しています。
パオバブはなんと人類が四足歩行をしていた時代から現在に至るまで食料源・材木・薬品として幅広く利用されています。
アフリカでは「精霊が宿る木」として信仰されており、セネガル共和国では国のシンボルにもなっています。小説『星の王子さま』にも登場しますよね。
ココナッツが「様々な商品展開をされているスーパーフード」であれば、パオバブは「様々な部位を摂取することができるスーパーフード」です。
パオバブの果実はビタミンCを代表する様々なビタミン・ミネラルをたっぷり含んでおり、医療が発達していない時代には壊血病などビタミン欠乏症の治療に使われました。
食べ方も多様で、砂糖などを混ぜてデザートにしたり、「ブイドリンク」にしてレモネードのようにして飲んだり、ヨーグルトなどのトッピングや料理のソースにも使われています。
樹皮や葉は古来から万能薬として扱われ、消化不良・外傷・疲労回復・腰痛・頭痛・喘息などの多様な症状に用いられました。木の根は免疫力を高める効果があるとして幼い子供に与える習慣がある部族もいます。
種は焙煎するとコーヒー豆のようになり美味しいです。加熱や発酵をして料理の風味付けに用いられることもあります。
種にはプロテインとカリウムが豊富です。
新鮮な葉や花はサラダとして食べることもできます。ビタミンやミネラルが豊富で、加工した物は調味料などにも用いられています。
まさに「捨てるところがないスーパーフード」です。EUの特定の食品にしか認められない「ノベルフード」にも登録されています。
研究も盛んで、ポリフェノールや抗酸化作用・抗炎症作用などに関する調査も進んでいます。
“守り”の要はORAC値にある！
ココナッツもパオバブも、赤道に近い地域で採れる植物です。
強い紫外線に立ち向かう為に強い抗酸化力を持っており、それが人間にとっては老化防止という効果を与えるのです。
食品に含まれている抗酸化値を科学的に数値化したものをORAC値（オーラック値）と呼びます。
このORAC値が高い食品は老化の原因となる活性酸素を抑えることでアンチエイジングが期待できると考えられています。
豊富なビタミン・ミネラルで栄養を補い、食物繊維で腸内環境を整えて便秘などを改善し、抗酸化力で老化を防止すること。それが2016年を代表した「”守り”のスーパーフード」の力なのです。
