アレルギー体質・持病がある人は要注意!チアシードによる健康トラブル
チアシードやアサイーによる爆発的なスーパーフードブームは現在だいぶ落ち着き、他のスーパーフードの発見・衆知が広まりつつあります。
しかしローストチアに代表される進化型チアシードの開発・研究が行われており、チアシードはまだまだスーパーフードの世界では人気が根強いです。
その一方で、やはりトラブルの報告も多くあります。
南米産のチアシードは危険?
健康に関して関心の強い人の中には、食品の産地や栽培・加工方法から食べ物を選ぶという人もいますよね。
チアシードにはじまるスーパーフードもオーガニックのものが増えてきました。この背景には「チアシードには発がん性・毒性がある」という噂が存在しました。
そして、この噂は全くの事実無根という訳ではありませんでした。
「不十分な食品管理下であった為に、チアシードに『発がん性の高いカビ』が発生した」というニュースが歪曲されて、チアシード自体には発がん性物質が含まれていないにもかかわらず、あたかもチアシードに発がん性・毒性があるかのような噂が広まってしまったのです。
このニュースによる「発がん性の高いカビ」はアフラトキシンといい、地上で最強の発がん性物質とも言われる種類です。でも、アフラトキシンは本来チアシードに含まれていない成分です。
チアシードに関しては国立医薬品食品衛生研究所が2015年5月27日に発表した「食品安全情報(化学物質)No.11」に記載があります。南米産チアシードをオーストラリア産チアシードと同等の扱いだと認める事に関して意見を求めたという、EUの報告です。この中にもチアシードの発がん性・毒性に関する記述はありません。
逆に、オーストラリア産・南米産のチアシードはEUが定める厳しい食品安全基準に従って認定される「ノベルフード」の評価を得たという内容が見受けられます。
「ノベルフード」は元々遺伝子組み換え食品の安全性が懸念された際にEUが制定したもので、スーパーフードの中ではパオバブやモリンガが承認されています。
スーパーフードのアレルギー
香辛料は、アレルギー反応を起こしたり、アレルギー症状を悪化させてしまうことが多い食品群です。
中でも注意をした方がいい食べ物はマスタードです。
口コミではマスタードに対してアレルギーを持っている人はチアシードを食べることで発疹・痒みなどのトラブルを起こしてしまうという口コミが多くありました。
その為、マスタードをはじめとする香辛料アレルギーがある人には、チアシードはおすすめできないスーパーフードだといえます。
その一方で覚えておきたい点は、香辛料というカテゴリーの中には様々なスーパーフードが存在するという事実です。
クミンやウコンなどがありますが、食物アレルギーがある方や診断はされていないが発疹や痒み、赤ら顔などのアレルギー症状を経験している方は注意が必要です。
アレルギーはまだ完全な治療が確立されてはおらず、そして「食べ物のほとんどが特定の人に対して何らかのアレルギー症状を起こす」と言われています。「おかしいな」と思ったら、我慢して摂取しつづけないようにしましょう。
既に何らかの食物アレルギーを診断されている・持っている可能性が高いという人は、医師に相談しながら摂取するようにしましょう。
持病がある人は要注意!
血圧や血栓予防の薬、インシュリン抵抗性の薬、抗凝固薬などの血液に関する薬を飲んでいる人はチアシードの摂取を慎重に判断するべきです。
チアシードには様々な栄養成分が含まれている食品なので、その栄養成分のいずれかが医薬品との相互作用を引き起こしてしまう可能性があるのです。
なんらかの持病を持っていて服薬中の方は、主治医に相談したうえでチアシードを摂取するようにして下さい。「少量のチアシードであれば大丈夫」と言われたという人もいるようです。
また、チアシードのいくつかの種類には中性脂肪を高めやすくしてしまう種類もあります。この場合は中性脂肪への影響が気になる方は「サルバ種」のチアシードを選んで摂取すると良いでしょう。
このように、チアシードの産地や品種によるトラブルも多く報告されています。
適正量を守っての摂取を
チアシードの食べ過ぎで便秘になったというトラブルが一番多く報告されています。
2014年のアメリカでは生のチアシードを摂取した39歳の男性が「窒息」を起こしてしまったという事件もありました。チアシードは食物繊維が豊富ですが、その為、食べ過ぎるとかえって便秘になってしまいます。
また、種子系のスーパーフードは発芽毒も懸念されます。適正量を正しい食べ方で摂取するようにしましょう。
チアシードに含まれている植物性タンパク質は腎臓に負担をかける可能性がありますし、サプリメントとスーパーフードの併用は植物栄養素の過剰摂取の可能性があります。チアシードに含まれているビタミンB17(アミグダリン)という成分は、過剰摂取によって青酸中毒を起こす可能性があるとされてアメリカ食品医薬品局により発売禁止になっている成分です。
スーパーフードの魅力である「豊富な栄養素」は、裏を返すと「様々なトラブルの原因」ともいえます。
正しい知識と食べ方で、不安やトラブルがある時はかかりつけの医師に相談した上で摂取をするようにして下さい。