気を付けたいスーパーフードの食べ過ぎとサプリメントの関係
昨今の健康ブームで様々なスーパーフードが登場しています。
美容効果や健康志向で積極的に摂取している人も多くいるでしょう。
しかし、スーパーフードの食べ過ぎは様々なトラブルを引き起こすことがあります。
あなたは上手に摂取を出来ていますか?
スーパーフードを食べる目的は?
人間の身体に必要な栄養素の中でも、タンパク質・脂質・炭水化物(糖質)は特に重要とされ、三大栄養素と呼ばれています。
これに対して、ビタミン・ミネラルなどは微量栄養素と呼ばれています。
三大栄養素に比べて必要な量は少ないものの、健康な身体の成長・維持の為に必要な栄養素です。
三大栄養素に比べて、微量栄養素は様々な種類があり、個々人の食生活によって不足しがちになることがあります。
スーパーフードや健康食品は、不足しがちな微量栄養素を簡単に摂取できる点が魅力です。
例えばチアシードは大さじ1杯に約3.4gの食物繊維が含まれています。これはレタスに置き換えると300gにもなります。
もしあなたがサラダが嫌いなら毎日山ほどのレタスを食べることを苦痛だと感じるかもしれません。そういう時に、レタスの代わりとしてチアシードを摂取することで不足している食物繊維を補給することができるというものです。
しかし、極端な表現になりますが、あなたがレタスが大好きで毎日山ほど食べているのだとしたら、わざわざチアシードを摂取する必要がありません。
もちろんチアシードには食物繊維以外にも様々な栄養が含まれています。しかし、食物繊維にだけスポットを当てて考えてみると、必要以上に摂取していることになってしまっているのです。
これは他のスーパーフードや栄養素にもあてはまります。自分が食べているものの栄養価をきちんと理解したうえで摂取できていますか?
栄養の取り過ぎは身体の負担になる
「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉があるように、栄養の取り過ぎはあまり好ましいものではありません。
便秘解消の為に食物繊維を大量に摂取したら、余計に酷い便秘を起こしてしまったという失敗談をよく聞きますね。
他の栄養素でも同じようなことが言えます。
ビタミンは水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンのふたつに分けられます。
レモンに含まれるビタミンCは水溶性ビタミンです。
ビタミンC、ビタミンB群といった水溶性ビタミンは過剰摂取をしても尿として体外に排出されるので副作用を心配する必要はありません。
しかし、人によってはビタミンCをたくさん摂ったことが原因で下痢を起こしていたという事もあるので、いくら心配がいらないといっても気を付けたいですね。
それに対して脂溶性ビタミンは注意が必要です。
ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKといった脂溶性ビタミンは水に溶けず、摂取した量が肝臓に貯蔵されていきます。その為、体内で余ってしまうと副作用を起こすことがあります。
ミネラルの過剰摂取はどうでしょうか?
鉄や亜鉛、銅などを取り過ぎると吐き気や下痢などの症状が出てきます。ヨウ素の場合は甲状腺に関わる症状が現れることが有名ですし、カルシウムの取り過ぎは骨粗鬆症や尿結石の原因にもなります。
スーパーフードやサプリメント、健康食品を複数使用している場合は気を付けるべき問題です。
スーパーフードとサプリメントの併用は?
スーパーフードは様々な栄養を豊富に含んでいる食品であることが魅力です。
それでも「野菜が嫌いだから、このスーパーフードには含まれていない栄養が足りていないから」という理由でサプリメントを併用してしまう人がいます。
国立健康・栄養研究所の梅垣敬三さん(健康食品情報プロジェクトリーダー)は「サプリメントは満腹感がない為、摂取量の自覚が無い」と問題を指摘しています。
最近はマルチビタミンやマルチミネラルのみならず「ダイエットを助ける栄養セット」や「世代別不足しがちな栄養素セット」などのパックを出しているメーカーもあります。
栄養素が重複しても、効果が倍になるわけではありません。それどころか、身体に必要な量よりも多く摂取すると、他の栄養素の吸収を邪魔してしまうこともあるのです。
「1日あたりの摂取量」を守ろう
しかし、毎日の献立や食事メニューを考えるのも大変ですよね。
それに加えてスーパーフードで補う栄養価まで計算をしたら大変なことになってしまって投げ出してしまう人も多いでしょう。
基本的に「1日あたりの摂取量」を守っていれば、問題無いと言われています。
チアシードやヘンプシードは大さじ1杯(25g)、ココナッツオイルなら大さじ2杯(約30mg)、高カカオチョコレートなら25gといわれています。
「1日あたりの摂取量」は食品のラベルに指示が書いている場合が多いので確認してみましょう。輸入品で説明書きが無い場合でも、インターネットで簡単に調べられるので確認してみてください。
もし「多く食べ過ぎてしまった!」と気付いてしまっても、落ち着いて対応しましょう。いわゆる「1日あたりの摂取量」は、1ヶ月あたりに摂取したい量から算出した平均値のことです。
ダイエット中に1日暴飲暴食をしてしまったとしてもすぐさま脂肪にならないように、栄養を取り過ぎてもすぐさま身体に副作用が発生するわけではありません。